IOCCC 1989の解説

全体の印象

単純なプログラムをむやみやたらに難読化するという時代は終わり、プログラムの挙動のおもしろさや難読化方法の創意工夫で競い合う傾向が急激に強まった。

言語処理系をテーマとする作品や、テトリスのように挙動の複雑さで勝負する作品が増えた。 個人的には、プログラム自体を処理対象として扱い、新たなプログラムを出力する「コード遊び」の作品が増えたのが嬉しい。 [[1989/fubar]]はプログラムを実行するとプログラムが現れ、繰り返しコンパイルが体験できる作品。 なかでも[[1989/westley]]は、あまり有名でないが恐ろしいレベルの超絶技巧。

この大会から全作品のhintファイルに作者のコメントが掲載されるようになった。

なお、この年はC言語の最初の標準規格が作られた年である(C89、通称ANSI C)。 ただし、規格は年末に確定し、出版は翌年であるため、IOCCC 1989ではまだC89は登場しない。 これらのプログラムがC規格策定前から存在したと思うと、ある意味感慨深い。

入賞作品一覧

[[1989/fubar]]

Best self-modifying program

最高の自己書き換えプログラム

[[1989/jar.1]]

Strangest abuse of the rules

もっとも奇妙なルール悪用

[[1989/ovdluhe]]

Most humorous output

もっともユーモラスな出力

[[1989/paul]]

Most complex algorithm

もっとも複雑なアルゴリズム

[[1989/robison]]

Best minimal use of C

Cの最高の最小限の使い方

[[1989/roemer]]

Best layout

最高のレイアウト

[[1989/tromp]]

Best game

最高のゲーム

[[1989/vanb]]

Best one liner

最高のワンライナー

[[1989/westley]]

Most algorithms in one program

単一プログラム中の最多アルゴリズム

[[1989/jar.2]]

Best of show

最優秀賞