IOCCC 1988の解説

全体の印象

手当たりしだいに読みにくくするのではなく、難読化にテーマ性をもたせることの模索が始まった。 これによって、ある意味、アートのような作品が出てきた。

[[1988/westley]]はIOCCCの中でも非常に有名な作品。 「円形状のコードで円周率を計算する」というコードで、難読化と挙動が「円」という主題で一致している。 このような考え方はIOCCCのコード形状の基本となった。

[[1988/robison]]は「使用してよい言語機能を制限する」という、いわゆる縛りプレイを明確に主題とした作品。 これも現代ではIOCCCやハッカーの遊びとして非常によくあるテーマとなっている。

[[1988/isaak]]はひどいコードから予想外に非自明できれいな出力が出てくる。 [[1988/reddy]]は挙動がすばらしく、現代のIOCCCでも通用すると思う。 [[1988/spinellis]]は伝説の一発ネタ。

この年から大賞がBest of showという賞名になった。 初のBest of show受賞作の[[1988/applin]]の審査員コメントに「今年はmost well roundedな作品ではなく、もっとも異常でbest abuse of the C Preprocessorな作品に大賞を送ることにした」とある。

この年から、プログラムサイズの制限がさらに緩和された(1024バイトから1536バイト)。 また、ビルドのためのコマンドは160文字までに制限された([[1987/biggar]]を受けた変更)。

また、作品パッケージのディレクトリ構成が変わった。 1987年までは作品ごとにディレクトリがあったが、今年からはすべて1つのディレクトリに入るようになった。

入賞作品一覧

[[1988/dale]]

Best abuse of system calls

システムコールの最高の悪用

[[1988/isaak]]

Best visuals

最高の見た目

[[1988/litmaath]]

Best small program

最高の小さいプログラム

[[1988/phillipps]]

Least likely to compile successfully

もっともコンパイルできなさそう

[[1988/reddy]]

Most useful Obfuscated C program

もっとも便利な難読化Cプログラム

[[1988/robison]]

Best abuse of C constructs

C構文の最高の悪用

[[1988/spinellis]]

Best abuse of the rules

ルールの最高の悪用

[[1988/westley]]

Best layout

最高のレイアウト

[[1988/applin]]

Best of show

最優秀賞