IOCCC 2018の解説
全体の印象
3年ぶりに開催された。
例年通り、すばらしい作品が揃っている。
IOCCC 2014と2015は最高位の作品が曖昧だったが、この年は[[2018/mills]]がBest of showを獲得した。
PDP-7/11エミュレータで、一見食傷気味のテーマにも見えるが、1983年の2.9BSDなど、古代のUNIXが目の前で実際に動くのはやはり楽しい。
hint.textには1969年のUNIX v0を動かす話が載っており、長文だが読み物として楽しい。
[[2018/yang]]は、90度回転しても動くコード。
それだけも素晴らしいが、シフトと組み合わせることで秘密箱のようなパズルになっている。
[[2011/akari]]級のコード遊びで、絶対に見逃せない。
[[2018/algmyr]]は音声を合成するプログラムだが、聴覚用ではなく視覚用の音声であるところが面白い。
IOCCC的な発想の勝利と言える。
[[2018/endoh1]]はどこかで見たようなネタだが、皮肉や逸話を絡めたサンプルに加え、コード自体も入力として使えるところが評価ポイントか。
個人的に、[[2018/anderson]]と[[2018/ferguson]]は知らない知識だったので楽しめた。
特に前者は比較的簡潔なコードにまとまっており、出力の視覚的な楽しさもあるので良い。
近年は大作傾向が進んでいるため、コードを実際に解析するという楽しみ方が難しくなっている。
その中で、[[2018/burton1]]のワンライナーはそのような楽しみ方ができるのでよい。
[[2018/hou]]はだいぶ強敵だが、解析にMD5計算の知識を要求される[[2015/hou]]よりは取り組みやすいと思われる。
入賞作品一覧