引用元:https://www.ioccc.org/2012/hou/hou.c
審査員・作者による説明:https://www.ioccc.org/2012/hou/hint.html
動作
正規表現でテキストを変換するプログラム。
ansi.txtは、C言語のキーワードや文字列リテラルなどに、色のエスケープシーケンスを混入することにより、シンタックスハイライトを行う。
hou.c自身をハイライトすると次のようになる。
$ gcc -o hou hou.c
$ ./hou ansi.txt hou.c
真ん中のコードの塊に、赤い顔が浮かび上がる。
エスケープシーケンスが使えない場合は、同様のハイライトをhtmlでやる方法も用意されている。
次のようにしてhou.htmを開くと良い。
$ cp header.htm hou.htm
$ ./hou html.txt hou.c >> hou.htm
hou.htmをブラウザで開くと次のようになる。
chk.txtは、IOCCCのサイズルールに合わせてC言語プログラムをプリプロセスする。
$ ./hou chk.txt hou.c | wc -c
markdown.txtは、markdownをhtmlに変換する。
$ ./hou markdown.txt hint.text | head
<html><head><title># Most useful obfuscation
</title><link rel="stylesheet" type="text/css" href="http://www.ioccc.org/2011/hint.css"><body><h1># Most useful obfuscation
</h1><p>Qiming Hou
<hqm03ster@gmail.com>
<http://www.houqiming.net>
</p>
<h2>## Judges' comments:
解説
ansi.txtやchk.txtは、各行が「正規表現、スペース、フォーマット文字列」という構成になっている。
正規表現は()
、[]
、*
、+
、?
、|
、""
が使えるとのこと。
コードは3つのパートに別れていて、最初はマクロ定義、2つめは四角いコード、3つめはアスキーアート。
2つめの四角いコードは、C言語のキーワードと文字列リテラルと文字リテラルをハイライトすると魔法少女まどか☆マギカのキャラクター、キュゥべえの顔が出てくるようになっている。
3つめのアスキーアートも同作品に出てくるソウルジェムというアイテム。
アスキーアートの横にあるメッセージはキュゥべえの有名なセリフで、「僕と契約して、魔法少女になってよ」の英訳。
難読化は、キーワードの位置を制御したことと、そこそこパワフルな正規表現エンジンのコードをサイズ制限にあうように小さくしたことから、必然的になされている。
キーワードの位置を調整しているのが凄まじいが、ネタバレをすると、次のマクロによってlong
とdo
を無にしているので、これを都合の良い箇所に挿入することで制御されている。
#define long
#define do
また、long
やdo
以外にもfor
やreturn
や文字列リテラルが色をつける部分として使われていて、調整には時間と脳力が消費されたことに疑いはない。
セリフの文字列は一応実行フローに意味があり、空文字列にしてしまうと動かなくなる。
ループ条件の*a->t
で、最初の文字が0でない値に初期化されていることを仮定している。
審査員が「2321237の意味は?」という問いかけを残しているが、結構調べたけどわからなかった。