JOL2025-3 の攻略

問題文
PDF
言語
カラジャ語
問題形式
📜ロゼッタ 🔢命数法 🔀対応付け
難易度
★★★★☆

ヒント 1

一風変わった形式の問題。動詞をいきなり分析するのはほぼ不可能。

設問 (a) を見て、まずデータから何を読み取るべきかを理解する。

ヒント 1-1

「脚」や「腹」などの語彙はデータに現れないので、名詞から判別することは不可能。

ヒント 1-2

所有形の表現を使って解く。データから所有形の表現だけ読み取れば良い。

答え
  • wa-「私の」
  • a-「君の」
  • i-「彼の」
ヒント 2

設問 (b) に進む。いくつかの語彙が既知なので、それをヒントに数詞問題を解く。

ヒント 2-1

「ジャトバ」「パイナップル」「ヤム芋」「友人」「子ども」が確定する。ここから、数詞の表現を考える。

ヒント 2-2

確定していない語の中に 3 つある sohodi は何か。

答え

「1」と思われる。

ヒント 2-3

「パイナップル 11 個」が wa sohodi のところから、数詞問題を解き切る。

debo が何かが肝。

答え
  • wa:10
  • debo:5
  • inati:2
  • inatanon:3
  • inakubikowa:4
ヒント 2-4

全部「1 個」である選択肢 c 、f 、j をどのように見分けるか。

ヒント 2-5

iwe / ira / iru の使い分けから見分ける。

答え
  • iwe は果実の単位
  • ira は芋の単位
  • iru は豆やトウモロコシの粒の単位(つまり粒?)
ヒント 3

いよいよ最初のデータの解析に入る。設問 (c) の文と合わせて解析すること。

ヒント 3-1

動詞の suffix から考えるとよい。-te / -re / -kre / -reri がある。

ヒント 3-2

これらは時制を表している。どのような時制か。現時点では -te-re の使い分けはわからなくてもよい。

答え
  • -reri:進行形「~している」
  • -re / -te:過去形「~した」
  • -kre:現在形「~する」
ヒント 3-3

次は動詞の prefix を分析する。te- / re- / ri- / kari- / bi- が見える。それぞれの意味は?

ヒント 3-4

時制によってグループ分けする必要がある。

ヒント 3-5

prefix と suffix は連携している。

答え

suffix が -kre のとき、

  • kari-「私が」
  • bi-「君が」

suffix が -kre 以外のとき、

  • re-「私が」
  • te-「君が」
  • ri-「彼が」
ヒント 3-6

suffix の -re-te の使い分けを明らかにする。

答え

過去形においては、

  • prefix が re- の場合、suffix は -re になる。
  • prefix が te- の場合、suffix は -te になる。

つまり、re-...-rete-...-te となる。(「彼が」の場合 ri-...-ri も予想されるが、データにないので不明)

ヒント 4

動詞の語幹と、その prefix を切り出し、意味を特定するのが最後の課題。

ヒント 4-1

共通部分を切り出していくことで、we / si / ra-de / ra / ti などが語幹から切り出せる。

ヒント 4-2

wera は、これまでの解析で出てきた語彙。これらは何を意味するか。

答え
  • we は、目的語が果実であることを表すマーク。
  • ra は、目的語が芋であることを表すマーク。

ただ、文(ア)や文(オ)に ra のマークが入っていることは説明できない。これは最後に考える。

ヒント 4-3

文(カ)の si はなにか。これはマークではない。

ヒント 4-4

文(ヒ)の翻訳も想像しながら行う必要がある。

ヒント 4-5

文(ヒ)の動詞の中にある ti は、実は知っている語彙。

ヒント 4-6

ti は設問 (a) で「脚」とわかっている。

kusehewe が「レアの羽」だとしたら、文(ヒ)の訳は「レアの羽」を脚のマークで表していることになり、いささか不自然。

答え
  • kusehewe は「レア」。
  • si は「羽」。

語幹の前に挿入する prefix は、wera のようにカテゴリを表すマークとは限らず、動作の対象を表すこともある。

ヒント 4-7

これを踏まえて、文(ア)や文(オ)に ra のマークが入っている理由を考え直す。

文(ア)と文(オ)で、実は理由が別。

ヒント 4-8

文(ア)、文(ノ)に ra が入っている理由を考える。実はわかってみればかんたん。これらの文の共通点を考える。

答え

「待つ」の動詞の語幹は rako 。つまり、ra は prefix ではないので、切り出していてはいけない。

ヒント 4-9

文(オ)に ra が入っている理由を考える。

設問 (a) がヒント。また、文(エ)の rade が「髪」なのもヒント。

答え

ra は「頭」。

we が「果実の単位」と「腹」を表すように、ra は「芋の単位」と「頭」を表す。

また、de はおそらく「毛」で、ra-de は「頭 + 毛」=「髪の毛」だと思われる。

余談

いろいろな要素を順に解いていき、これまで集めた知見をフル活用することで最後の問題が解けるようになっていて、見事な問題。