JOL2021-4 の攻略

問題文
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言語
マプチェ語
問題形式
🧩パターン 📜ロゼッタ
難易度
★★★★☆

ヒント 1

強勢の問題は、まず音節に区切って観察する。CV または CVC をひとかたまりとして、単語を区切っていく。

ヒント 1-1

母音の種類は強勢位置に影響しない。

ヒント 1-2

最後の音節、または最後から 2 番目の音節に強勢が置かれる(強勢の規則としてありがちなパターン)。

答え

単純語の強勢位置の規則は次の通り。

  • 原則として、最後から 2 番目の音節に強勢が置かれる。
  • ただし、最後の音節が重音節(CVC の形の音節)ならば、そちらに強勢が置かれる。

当然、1 音節しかない単語は特別扱いする。

ヒント 2

設問(イ)。前半の単語と後半の単語で規則が異なるので、それぞれ観察する。

ヒント 2-1

前半の単語の強勢は、置かれるとしたら必ず最後の音節に置かれる。ただし、強勢が置かれない場合もある(語句 l の例)。

ヒント 2-2

後半の単語は、単純語の強勢位置の規則の通り。ただし、やはり強勢が置かれない場合がある(語句 m と n の例)。

ヒント 2-3

強勢が省略されている例について、強勢があったとしたらどうなるかを考えてみる。

ヒント 2-4

強勢を置く音節が連続する場合、どちらかだけになる。どちらが残されるかの規則を考える。ヒントは、意味による。

答え

その単語の意味自体を表す方の強勢が残る。

  • 「しっくい - 骨」=「背骨」は「骨」なので、「骨」の方の強勢を残す。
  • 「目 - 犬」=「犬の目」は「目」なので、「目」の方の強勢を残す。
ヒント 3

設問(ウ)は、打って変わってかんたん。

多くの suffix があるが、特に音韻変化などはないので、普通に切り出していけばよい。

ヒント 3-1

次のような構造になっている。

  • 語幹
  • ym「~させる(使役)」or ŋe「~られる(受身)」
  • ke「いつも」
  • la「~ない(否定)」
  • wa「~だろう」
  • fi「それを」
  • n「私は」or jmi「あなたは」or j「彼は」

これで翻訳はできるはず。

ヒント 3-2

強勢位置は機械的に決定できる。

作問者の意図としては、設問(ア)(イ)の規則を念頭に置いて解くのだと思われるが、忘れて考えたほうがむしろかんたんかも。

ヒント 3-3

この動詞には、2 つの強勢が置かれる。設問(イ)のように、強勢が連続してしまったときは、片方だけが残される。

答え
  • 「語幹 - ym/ŋe」の中で一番最後の音節に強勢を置く
  • ke - la - wa - fi」の中で、一番最後の音節に強勢を置く
  • 強勢が並んだときは、
    • 前半の強勢が ymŋe なら、そちらが優先される
    • 前半の強勢が語幹の最後なら、後半の強勢が優先される

解答によると、

  • 「語幹 - ym - ŋe」のパート
  • ke - la - wa - fi - (n / jmi / j)」のパート

の 2 つのパートに対して、設問(イ)の複合語の規則を適用するイメージに近い。つまり、

  • 前半のパートの最後に強勢を置く
  • 後半のパートに設問(ア)の規則で強勢を置く
  • 強勢が連続した場合は片方を消す(ym/ŋe があるならそちらを優先、ないなら後半を優先)

とのこと。

余談

強勢位置の問題は知識問題のきらいが強い。ありがちな規則の傾向を知っていないと解けない。なんとなく、次のようなイメージ。

  • 終わりの方の音節、特に最後または最後から 2 番目の音節に置かれやすい
    • 偶数番目・奇数番目が重要になる場合も
  • 短母音・軽音節よりは長母音・重音節に置かれやすい
  • 連続する音節の両方に強勢が置かれることは少ない