- 問題文
- 文字
- オルホン文字
- 問題形式
- 🧩パターン 🔤文字
- 難易度
- ★★★★★★★
JOL2018-4 の攻略
ヒント 1
書く方向を判断する。
さらなるヒント
13 toɲukuk
トニュククの印象的な繰り返しに注目。その文字を先頭で使っている語句 8 も合わせて考える。
答え
右から左。また、𐰸
が k に関係する音だとあたりがつく。
ヒント 2
右から左に書くことがわかったので、各文字の音を解明していく。非常にむずかしい。
まずは s 、b 、t 、g あたりの子音の文字を特定していくとよい。
ヒント 2-1
同じ子音に対して 2 種類程度の文字が使われている。
たとえば、語句 9 と 10 は b の音で始まっているのに、𐰋
と 𐰉
の 2 種類が使い分けられている。他の子音も、おおよそ 2 種類程度の文字がある。
この理由は後で考えることにして、一旦受け入れて音の特定を進めるとよい。
ヒント 2-2
母音は完全に省略されるわけではなく、入ったり入らなかったりする。
また、母音の文字は 1 つの音を表すとは限らない。
これらに注意しつつ、各文字の音を解き明かす(むずかしいが)。
ヒント 2-3
1 つだけ、二重子音を表す文字も混ざっている。
ヒント 3
子音の文字の使い分けを考える。ヒントは、注釈にある母音の分類表。
なお、k の文字だけ 4 種類ある(𐰚
、𐰰
、𐰴
、𐰸
)。このことは後で考えるとよい。
ヒント 3-1
オルホン文字を見る前に、ラテン文字表記だけみて古テュルク語の母音の使われ方を観察するのもよい。
答え
古テュルク語の単語は、前舌母音 e, i, ö, ü だけを使う単語と、後舌母音 a, ı, o, u だけを使う単語に分かれる。これらの母音を混ぜて使う単語は存在しない(母音調和)。
ヒント 3-2
子音の文字と思っている文字は、実は母音の情報も少しだけ表す。
答え
前舌母音の単語で使われる子音文字の集合と、後舌母音の単語で使われる子音文字の集合が分かれている。
ヒント 3-3
k の文字は、𐰚
と 𐰰
が前舌、𐰴
と 𐰸
が後舌となる。これらの使い分けを考える。
𐰰
と 𐰸
だけ、出現位置に制約がある。
答え
𐰸
は母音 o/u と子音 k の連続を表す。𐰰
は母音 ü と子音 k の連続を表す。
ヒント 4
母音の文字を書く規則を考える。母音を表すのは次の 6 文字。
𐰀
:e/a𐰃
:i/ı𐰆
:o/u𐰇
:ü𐰸
:ok/uk𐰰
:ük
大まかに傾向を掴むところから。
ヒント 4-1
母音が書かれているのは、(おおよそ)最初の母音と語末の母音のみ。
ただし、最初の母音が省略される場合も多い(語句 1 、3 、4 など)。省略される条件は?
答え
最初の母音が e/a なら省略される。
ヒント 4-2
語句 8 や 11 は、2 番目の母音が書かれている。条件は?
答え
𐰸
(ok/uk)と 𐰰
(ük)の後は、かならず母音が書かれる。
余談
異常な高難度問題で、IOL でもここまでむずかしい問題はほとんど見ない。正直、難易度調整を失敗したとしか思えない。
母音調和と、子音文字の使い分けまでは一応見抜ける? 古テュルク語がトルコ語の祖先で、トルコ語が現代でも母音調和の代表格の言語だという知識があれば有利かも。
しかし、自力で母音の省略規則まで到達できる人はほとんどいないと思う。「母音と子音がクラスタになった文字が含まれている」という仮説を、このデータだけで立てろというのは、無理難題……。