- 問題文
- 言語
- ケワ語
- 問題形式
- 🔀対応付け
- 難易度
- ★★★★★
IOL2025-4 の攻略
ヒント 1
出現頻度を調べると、突出して出現する語を特定できる。
ヒント 1-1
mena と agaa が 5 回出現する。
選択肢の中で 5 回出現するものを探し、確定している語句 1 ~ 14 も参考にして、どちらがもっともらしいか考える。
答え
mena は「豚」。
語句 2 mena-iri「頑丈な草」が少し引っかかるものの、「豚のような草」と理解できなくはない。一方 agaa が「豚」だとすると、語句 9 repena-agaa「前照灯」や 13 adaa-agaa「母語、ケワ語」があまりに説明しづらい。
ヒント 1-2
15 ada-mena と 24 mena-ada が「豚の X」「X の豚」の関係になっている。X に合うものを探す。
答え
ada は「家」で、D「家畜の豚」と G「豚小屋」となる(どちらがどちらかは現時点では不明)。
ヒント 1-3
38 yaa-ada は何か。
答え
7 yaa-apaa が「鳥の卵」なので、38 yaa-ada は R「鳥の巣」。
yaa-ada の語順がわかったので、15 ada-mena と 24 mena-ada も確定する。
ヒント 1-4
23 mena uni 、25 mena-ki 、27 mena-yagaa を確定させる。
答え
yagaa は 11 から「あご」と予想できる。
ki は 6 や 8 から「指・手・腕」の可能性が高い。
uni は消去法で「骨」。
- 23
mena uni=「豚」+「骨」= I「豚の骨」 - 25
mena-ki=「豚」+「指・手・腕」= A「豚の大腿」 - 26
mena-yagaa=「豚」+「あご」= Q「豚のあご骨」
ヒント 2
39 yaa-agaa から agaa の意味を特定し、それを軸に推論を進める。
ヒント 2-1
yaa-agaa が「鳥のくちばし」なので、単純に考えると agaa は「くちばし」。5 naakina ini-agaa「男の子の顔」や 13 adaa-agaa「母語、ケワ語」などから、agaa の意味を推定する。
答え
agaa は「口」、転じて「話」も表す。
この言語では、agaa に限らず単語の転用が激しい。
ヒント 2-2
5 naakina ini-agaa「男の子の顔」の後半が「顔」と思われる(ini は一旦置いておく)。naakina の意味は?
ヒント 2-3
16 adaa naaki に当てはまりそうな選択肢を探す。
答え
naaki は「男の子」。所有者を表すときに naaki-na のように suffix -na がつくことがある。-na がつく条件は、対応付けが終わったあとで考えると良い。
また、adaa が「大きい」であることもわかる。
ヒント 2-4
19 balina agaa 、30 ora-agaa 、31 poripu-agaa 、32 poripu を一括で解く。
- 10
ora-da dia「真実でない」から、oraの意味を想像する。 - 3
ora adaa poripu「あらし(天候)」から、poripuに当てはまりそうなものを選択肢から探す。 - 14 の
balina aga「トウモロコシ」は少し難しいが、設問 (c) をあわせて見る。
ヒント 2-5
注釈を参照のこと。この言語が話されているパプアニューギニアにトウモロコシを持ち込んだのは誰か。
答え
ora は「本当」、poripu は「風」、bali は「白人」。
- 19
balina agaa=「白人」+「口・話」=「英語」 - 30
ora-agaa=「本当」+「口・話」=「真相」 - 31
poripu-agaa=「風」+「口・話」=「うわさ話」 - 32
poripu=「風」
ヒント 3
aga や apaa の意味も想像し、17 aga-ini や 20 ini apaa も埋める。
また、ki「手・腕」から、21 ki-ene と 28 nogona ki に当てはまりそうな選択肢を探す。
3 ora adaa poripu は「本当」「大きい」「風」で「あらし」を表現している。この ora の用法から、29 ora pamoagae もわかる。
ヒント 3-1
トウモロコシが「白人の aga」。つまり、主食、重要な食物であるということ。
apaa は卵っぽいものを探す。
答え
aga は「主食・タコノキ」、apaa は「玉・卵」。
- 17
aga-ini=「主食・タコノキ」+ini= T「タコノキの実」 - 20
ini apaa=ini+「玉・卵」= O「眼球」 - 21
ki-ene=「手・腕」+「関節」= Y「腕の関節」 - 28
nogona ki=「女の子」+「手・腕」= V「女の子の手」 - 29
ora pamoagae=「本当」+「老女」= P「とても老いた女」
ヒント 3-2
ini の意味は?
答え
ini は「目・実」。
ヒント 4
4 mena-irakai「動物」や 8 ki-komaa「腕全体」から、irakai や komaa の意味を考える。
22 komaa や 27 nina irakai に対応しそうな選択肢を探しながら考えると良い。
ヒント 4-1
5 から、ini-agaa が「顔」になる。この語の解釈を考える。
ヒント 4-2
ini「目」と agaa「口」を並べて「顔」を表現している。つまりこの言語では、代表的な言葉を 2 つ並べることで、それらを一般化した概念の言葉を作ることができる。
答え
irakai は「犬」。mena-irakai は「豚」+「犬」で「動物」を表現している。
komaa は「上腕」。ki-komaa は「下腕」+「上腕」で「腕全体」を表現している。
ヒント 5
1 repena-ini「火の炭」、9 repena-agaa「前照灯」、12 repena ene「木のこぶ」を考える。
ヒント 5-1
agaa は「口・話」から、repena-agaa「前照灯」の解釈を考える。
ヒント 5-2
repena が「火」で、repena-agaa は「火の口」と解釈できる。
しかし、12 repena ene「木のこぶ」に「火」の要素はない。どのように説明できるか。
答え
repena は「火」と「木」の両方の意味を持つ。
あとは、repena の曖昧さに注意しながら対応付けを完成させる。
ヒント 6
「白人」は bali か balina か?
さらなるヒント
suffix -na がついていると思われるものを集めて、共通点を探す。
答え
所有者が人間の場合、suffix -na がつく(naaki-na「男の子の」、nogo-na「女の子の」、ni-na「私の」)。
よって、balina は bali「白人」に -na がついたものと考えられる。
(また、repena は repe-na でなく、これ全体で 1 単語であることもわかる)
余談
「火」と「木」が同音異義語(?)になるのはなかなか強烈。設問 (b) で同音異義語の存在は示唆されているものの、「火」と「木」のような基本的な語が同音異義語になるのは想像を超えてくるので、仮説を思いついても真面目に掘り下げるのはなかなかむずかしい。
(ひょっとしたらこの言語の話者たちは火と木が同じものと考えている?)
「豚・犬」のような例の列挙で「動物」の語を生成できるのはとても興味深い。