- 問題文
- 言語
- グアサカパンシンカ語
- 問題形式
- 📜ロゼッタ
- 難易度
- ★★★★★★
IOL2023-1 の攻略
ヒント 1
まずは問 (a) 。形式 1 から形式 2 に変化する際、語頭、語末、語中でそれぞれ変化がある。
ヒント 1-1
語頭には ɨn / ɨŋ / ɨm が付く。使い分けは?
答え
- 元の語頭が
kかk'ならɨŋ、pかp'ならɨm、それ以外ならɨn。 - さらに、
p、t、kはそれぞれb、d、tに変わる。k'やp'は変わらないことに注意。
ヒント 1-2
語末の形が変わる。規則は?
答え
-CV-y' なら -C'V に変わる。-C'V-y なら -C'V に変わる。
ヒント 1-3
語中には、母音が挿入されることがある。いつ、どこに、何が入る?
答え
- 語中に二重子音があるとき、その間に母音が入る。
- 原則として
aが入る(例:文 3 の-pl-→-p-a-l-)が、前後の母音が同じ場合はその母音が入る(例:文 5 の-ɨknɨ-→-ɨk-ɨ-n'ɨ-)。
ヒント 2
問 (b) 。ここから非常に難しい。
一人称と三人称、能動態と受動態、現在形と過去形の、合計 8 通りの変化を解明する必要がある(正確には、三人称・能動態・過去形のデータはないので 7 通り)。
同じ動詞の語句を比較し、原形を想像しつつ、どのような変化があるかを洗い出す。
ヒント 2-1
次のような変化が見られる。
- 語頭に
ɨm-/ɨŋ-/ɨn-がつく - 語頭に
a-がつく - 語中の母音が 0 個になる / 1 個になる / 2 個になる、の 3 パターン
- 語末に
-y/-yʼがつく - 語末に
-ŋ/-nʼがつく - 語末に
-ʔがつく
それぞれを解明する必要がある。
ヒント 2-2
語末に -ʔ がつく場合の共通点を考える。
答え
基本的に受動態。
ただし、「去る」「急ぐ」「跳ぶ」など、日本語では受動態に見えないものも受動態的に扱われる。
ヒント 2-3
語頭に ɨn- がつく場合の共通点を考える。
おおよそ一人称であることはすぐに分かるが、一人称でも ɨn- がつかない場合がある(文 20 や 22 など)。それらの共通点も合わせて考える。
答え
- 一人称・能動態・現在形なら語頭に
ɨn-がつく - 一人称・能動態・過去形なら語末に
-ŋ/-nʼがつく - 一人称・受動態・現在形なら語頭に
ɨn-がつく - 一人称・受動態・過去形なら語頭に
ɨn-がつく
ヒント 2-4
三人称の場合の能動・受動、現在・過去の区別の方法を考える。
三人称・能動態・過去形のデータはなく、問われてもいないので、考えなくてよい。
答え
- 三人称・能動態・現在形なら何もつかない
- 三人称・受動態・現在形なら語頭に
a-がつく - 三人称・受動態・過去形なら語末に
-y/-yʼがつく
ヒント 3
語中の母音の数がどのように決まるか。
ヒント 3-1
母音が 2 つになる場合。
piri「見る」が piiri になる場合(文 19)、tero「殺す」が teero になる場合(文 28)などを集め、共通点を見出す。
ヒント 3-2
受動態・過去形の場合に母音が 2 つになる傾向がみられる。しかし例外もある(文 32 の ʂawʂa「植える」や、文 31 の iʂpa「去る」など)。
どのように説明できるか。
ヒント 3-3
音節の構造による。
答え
受動態・過去形の場合、
- 動詞原形の最後が
CVCVならCVVCVになる。 - 動詞原形の最後が
CCVなら変わらない。
ヒント 3-4
母音が 1 つになる場合。
文 3 の apla/apala 、文 37 の iʂpa と文 24 の iʂapa などを比べ、母音が挿入される条件を考える。
答え
現在形の場合
- 動詞原形の最後が
CCVならCVCVになる(挿入される母音は問 (a) で解答済み)。 - それ以外なら変わらない。
ヒント 4
語末に -ŋ / -y がつくか、-nʼ / -yʼ がつくかがどのように決まるか。
これは非常にむずかしい。
さらなるヒント
実は、現在形では、語幹の最後の子音に ʼ を付ける(ただし、もともと ʼ がある場合はなにもしない)。
そのうえで -y と -yʼ の付き方を考える。
答え
語末は、次のような規則で変換されている。
- 現在形では、原形の最後の子音に
ʼをつける。もともとʼがある場合はなにもしない。 - 受動態では、最後の子音の
ʼを取り除いた上でʔをつける。 - 能動態では、
- 現在形なら、これで終わり
- 過去形なら
- 最後の子音に
ʼがある場合は-ŋ/-yを付ける - 最後の子音に
ʼがない場合は-nʼ/-yʼを付ける
- 最後の子音に
この複雑な規則のために、ʼ が現在形を表すマークであることがに気づきにくい。そもそも、原形の最後の子音に ʼ ついているかどうかの判断も極めて難しい。
なお、ʼ がついたとき音が変わる子音がある。
dにʼがついたらtʼになるʂにʼがついたらʦʼになる