IOL2022-2 の攻略

問題文
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言語
アラバマ語
問題形式
🔀対応付け
難易度
★★★★★★

問題文に関する注意点

「それ」が「それら」と誤訳されている箇所が 2 箇所ある。

  • 「F. それらが数個に引き裂かれている、それらが引き裂かれている」→「F. それが数個に引き裂かれている、それらが引き裂かれている」
  • 「30. それらを数個に引き裂く」→「それを数個に引き裂く」

また、「U. 一つを持つ」は「U. 一つを持っている」と読むのがおすすめ。

ヒント 1

語尾に注目する。

ヒント 1-1

-ka で終わるものが多数ある。-ka で終わるものは 12 個、それ以外が 14 個。この数に合うように選択肢を 2 つに大別する。

ヒント 1-2

受動態の選択肢が 11 個、能動態の選択肢が 15 個で、惜しいが合わない。

能動態の選択肢の中から、異質なものを探す。

ヒント 1-3

受動態は基本的に状態を表し、能動態は動作を表す。

「U. 一つを持つ(持っている)」は能動態だが、状態を表すと考えられる。

すると、状態を表す表現が 12 個、動作を表す表現が 14 個で、大別できる。

答え
  • -ka は状態を表す表現。
  • それ以外は動作を表す表現。
ヒント 2

状態表現のセットと動作表現のセットにまたがって出現頻度を数え、意味を特定していく。

ヒント 2-1

「穴を開ける」系の表現が唯一、状態表現 2 個、動作表現 2 個ある。まずはこれを特定する。

ヒント 2-2

語形の変化が大きいので、雰囲気でまとめる必要がある。子音が手がかりにしやすい。

ヒント 2-3

ɬobaffi ɬòom-ka ɬombi ɬómbaf-ka が「穴を開ける」系。

ヒント 2-4

同様に、動作表現 2 個しかない「剥がす」、動作表現 1 個しかない「割る」、状態表現 1 個しかない「持っている」などもおおよそ特定できる。

ヒント 3

各動詞には、おおよそ「長い形」と「短い形」があり、単数と複数を表現していると考えられる。どちらがどちらか。

ヒント 3-1

直感で「長いほうが複数」と考えてしまうが、冷静に証拠を探す。

ヒント 3-2

「長い形」は、語尾の直前に母音が 2 つ並ぶ傾向がわかる。

動作表現 1 個、状態表現 1 個の「立掛ける」「引き裂く」「まき散らす」の表現を観察する。

ヒント 3-3

1 achánnàa-ka 、4 ahámmat-ka 、16 ɬìil-ka は、

  • G. それが何かに立掛けられている
  • M. それがまき散らされている、それらがまき散らされている
  • F. それが数個に引き裂かれている、それらが引き裂かれている

のいずれかに対応すると考えられる。選択肢のうち、明確に単数なのは 1 つだけ。

ヒント 3-4

すでに確定している incháffàa-ka「一つを持っている」は長い形か、短い形か。

答え

長い形が単数、短い形が複数。

ヒント 4

以上で設問 (b) までは完答できるはず。

設問 (c) を完答するのは大変だが、状態表現と動作表現の間の対応例を真似ればおおよそ解けるはず。

さらなるヒント

たとえば 30「それを数個に引き裂く」は、

  • 17 ɬìip-ka「それらがひっくり返されている」
  • 19 ɬip-li「それらをひっくり返す」
  • 16 ɬìil-ka「それが数個に引き裂かれている」

の 3 つの関係から、19 の pl に置き換えることで ɬil-li という解答を錬成できる。

答え

解答によると、この言語には

  • 子音 Cl が連続すると lC に変わって CC になる
  • b と子音 C が連続すると bm に変わって mC になる

という音韻の規則があるらしく、この規則を逆変換すると、「穴を開ける」形の語句の元の形は次のようになる。

  • ɬobaf-li =「穴を開ける」
  • ɬob-li =「複数の穴を開ける」
  • ɬóbbaf-ka =「それは穴が開いている」
  • ɬòob-ka =「それは複数の穴が開いている、それらは穴が開いている」

このような情報を集めて一般化すると、次のような規則になるらしい(声調は省略、X は子音または母音)。

  • C1 V1 C2 V2 X-li = 単数・動作
  • C1 V1 C2-li = 複数・動作
  • C1 V1 C2 C2 V2 X-ka = 単数・状態
  • C1 V1 V1 C2-ka = 複数・状態

ただ、この問題から音韻規則を見抜き、かつ語形変化の規則まで見抜くのはかなり難しい。

余談

語句 30 が「それ『ら』を数個に引き裂く」と誤訳されてしまっているのは、地味だが非常に厳しい。ただでさえややこしいのに、「それを数個に」と「それらを数個に」を訳し分けられるという風にミスリードされてしまうので、ほぼ解答不能になってしまっている。

「U. 一つを持つ」は英語で “he has one” になっている。英語の “have” は状態動詞なので、状態表現に分類するのは自然。しかし日本語の「一つを持つ」が状態を表すかは、かなり微妙……。