IOL2021-5 の攻略

問題文
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言語
リクバクチァ語
問題形式
📜ロゼッタ
難易度
★★★★★★

問題文に関する注意点

「彼を」と「それを」が翻訳し分けられていることに意味はない。

「私が彼を噛む」は「私がそれを噛む」と、「彼が彼を噛む」は「彼がそれを噛む」と読み替えてよい。(英語では “I will bite it” “he will bite it” になっている)

ヒント 1

まずは動詞の語幹を切り分けていく。「去る」は難しいので一旦置いておくとよい。

ヒント 2

主語の「あなたが」と「私達が」、目的語の「あなた達を」は比較的かんたん。

答え
  • あなたが → tsi-...
  • 私達が → tsi-...-naha
  • あなた達を → -aha-(確定はしないが、当たりをつけられる)
ヒント 3

「私が」と「彼が」が曖昧であることは明らかだが、曖昧になっていないケースもある。

曖昧になるケースの共通点は何か。

ヒント 3-1

現在形の場合だけ主語の「私・彼」が曖昧になる。よって、現在形と過去形に分けて考えるとよい。

過去形の主語「彼が」に注目するとよい。

ヒント 3-2

過去形の主語「彼が」の文はすべて ni-z- で始まることがわかる。これの使い分けは?

答え

後続が母音なら z- 、子音なら ni-

z-ni- が同じというのがかなり予想外で、これを受け入れて解析を進められるかどうかが勝敗を決めそう。
ヒント 3-3

現在形の文の共通点を探す。

ヒント 3-4

-my- または -p- が挿入されている。これの使い分けは?

答え

後続が母音なら -p- 、子音なら -my-

ヒント 4

主語や目的語の表現を整理していく。

謎の -k- が入ったり入らなかったりする以外は、比較的かんたんに整理できると思う。-k- が何を表していて、どのような条件で入るかが最後で最大の課題。

ヒント 4-1

まず、目的語「彼を・それを」の表現に仮説を立てる。ヒントは「私・彼が彼を噛む」や「私・彼がそれを切り分ける」の文。

答え

-i- が目的語「彼を・それを」。

ヒント 4-2

「あなたがそれを殺した」をもう一度分析する。

素直にリクバクチァ語に訳すと tsi - i - beze となることが期待されてる。しかし実際には tsi - beze となっている。これはどう説明できる?

答え

tsi- は直後に i が来る場合、それを飲み込んでしまう。

ヒント 4-3

謎の -k- に取り組む。まず、-k- が挿入される場合を考える。

答え

-k- が挿入されるのは過去形の文のみ。ただし、過去形の文でも -k- がない場合もある(例えば tsi-beze「あなたがそれを殺した」の文)。

ヒント 4-4

過去形の文で -k- が入るもの、入らないものを整理していく。

なお、「去る」の文を一旦除外して考えると良い。

ヒント 4-5

ni- / z- で始まる文はそれだけで過去形と決まっているので除外して考える。

ヒント 4-6

過去形の文で ni- / z- で始まらないもののうち、-k- が入るものは、次のように整理できる。

  • tsi - k - zomo「あなたが到着した」
  • ik - naraha「私が落ちた」
  • tsi - k - moro - naha「私達が浴びた」

なお、tsi - itsi の集約されたことから、tsi - iktsik になっていることは想像できる。

しかし、次のケースは -k- が入らない。

  • aha - pery「私があなた達を待った」
  • ts - i - beze「あなたがそれを殺した」

-ik- が入る条件は? 設問 (a) の単語も見ながら考える。

ヒント 4-7

目的語の有無ではない。

ヒント 4-8

設問 (a) の uru は明らかに「私が眠った」だが、-ik- が入っていない。

答え

後続が子音なら -ik- が挿入される。後続が母音なら、何も挿入されない。

ヒント 4-9

以上を踏まえて「去る」の語幹を考える。

答え

「去る」の語幹は iksi

-ik- は過去時制、一人称単数目的語、「去る」の語幹の先頭、の 3 つで重なっていて、非常に難しい。