- 問題文
- 言語
- Pirahã
- 問題形式
- 🧩パターン
- 難易度
- ★★★★★★
IOL2013-3 の攻略
ヒント 1
左端の文字表記から、中央の発音記号のようなものを作る発音規則を見出す問題。
まず、強勢以外の変換規則を整理する。
ヒント 1-1
文字が発音されないケースがある。その条件を理解する。
ヒント 1-2
音節の区切り方も考える。
ヒント 1-3
短母音が単体で音節になることはない。
答え
- 1 語めの語末が
-Vi
なら /i/ は消える。 - 2 語めの語頭の
x-
は消える。 - 音節は /CVV/ 、/CV/ 、/VV/ のどれかになるように区切る。
- 1 語めの語末と 2 語めの語頭が合体して 1 つの音節になることがある(
kaibai xogiai
/kai.1bao.gi.ai/ の /bao/ がわかりやすい)
ヒント 2
第 1 強勢の規則を考える。(本当にむずかしい)
強勢位置の傾向をよく把握する。
ヒント 2-1
形式的な条件と、音韻的な条件が組み合わさっている。
ヒント 2-2
おおよそ、最後の二重母音が選ばれるように見える。しかし例外が多数ある。
ヒント 2-3
次の例外に注目する。
giopai sabi
/gio.pa.1sa.bi/ では、/gio/ があるにも関わらず /sa/ が第 1 強勢を得ている。kaoaibogi sabi
/kao.ai.bo.gi.1sa.bi/ では、/kao/ や /ai/ があるにもかかわらず /sa/ が第 1 強勢を得ている。
ヒント 2-4
/sa/ が /gio/ や /kao/ より強勢を得やすいのではない。位置の問題。
答え
第 1 強勢は、最後の 3 音節のどこかに置かれる。
ヒント 2-5
他にも例外が見られる。
kagaihiai
/ka.1gai.hi.ai/ では、/ai/ ではなく /gai/ が第 1 強勢を得ている。xisitai xagai
/ʔi.si.1taa.gai/ では、/gai/ でははなく /taa/ が第 1 強勢を得ている。
ヒント 2-6
音節と音節の間に「強勢の得やすさ」がある。
ヒント 2-7
第 1 強勢の優先順位を整理していく。
kagaihiai
/ka.1gai.hi.ai/ から、「/gai/ > /ai/」という優先順位が読み取れる。xisitai xagai
/ʔi.si.1taa.gai/ から、「/taa/ > /gai/」という優先順位が読み取れる。
子音のよくあるグループにまとめて考えると、規則が見えてくるかもしれない。
ヒント 2-8
母音自体は影響しない。二重母音か短母音かだけが影響する。
答え
最後の 3 音節の中に、
- 無声子音の二重母音(/sVV/ 、/tVV/ 、/pVV/ 、/kVV/ 、/ʔVV/ 、/hVV/)があれば、それが第 1 強勢を得る。
- それがなければ、有声子音の二重母音(/bVV/ 、/gVV/)が第 1 強勢を得る。
- それがなければ、子音のない二重母音(/VV/)が第 1 強勢を得る。
- それがなければ、無声子音の音節(/sV/)が第 1 強勢を得る。
もし同率の候補が複数ある場合は、あとにある音節が優先。(hixi xitaixi
/hi.ʔii.1tai.ʔi/ では /ʔii/ と /tai/ が同率なので、あとのものが優先されている)
ヒント 3
第 2 強勢を考える。まずは、第 2 強勢が置かれているものの共通点を考える。
ヒント 3-1
第 2 強勢があるのは、2 単語のものだけ。その 1 単語めの部分に置かれている。
ヒント 3-2
2 単語でも第 2 強勢が置かれないケースも多い。
giopai hoigi
/gio.pa.1hoi.bi/ では第 2 強勢が置かれない。giopai xaibogi
/2gio.pa.1ai.bo.gi/ では第 2 強勢が置かれる。
1 語めは完全に同じにも関わらず、違いが生じている。つまり、2 語めによって第 2 強勢が置かれるか置かれないかが変わる。
答え
2 語めが 3 音節以上あったら、1 語めに第 2 強勢が置かれる。
ヒント 3-3
第 2 強勢が置かれる位置は 1 語めの範囲だが、具体的にどこに置かれるか。
答え
1 語めの範囲の最後の 3 音節の中から、第 1 強勢と同じ規則で選ばれる。
細かいことを言うと、1 語めの語末と 2 語めの語頭が合体して 1 音節になったものが全体の最後の 3 音節に含まれる(つまり第 1 強勢の候補になる)場合は、第 2 強勢は置かれない。これは最後の設問 xabagi xogiai
で問われる。