APLO2024-2 の攻略

問題文
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言語
ウェンバウェンバ語
問題形式
🔀対応付け
難易度
★★★★★

ヒント 1

語句 1 ~ 10 と 11 ~ 24 の間で共通の語彙は karr しかないので、素直に前半と後半で分けて考えればよい。

まずは前半。

ヒント 1-1

3 回現れるのは purrpmir で、特に語句 8 purrp は単独で現れている。これに合うものを考える。

答え

purrp は「頭」、lar は「家」で、purrp-i lar は「頭 + 家」=「I. 屋根」。

連想ゲームで他も自然に埋まるはず。

ヒント 1-2
  • kal-i mir「ふた + 目」=「まぶた」
  • kurrk-i mir「赤い + 目」=「赤い目」

ここから、重要な知見を得る必要がある。

答え

「まぶた」=「目のふた」は、「ふた + 目」の語順で表現されている。一方「赤い目」は、「赤い + 目」の語順で表現されている。

つまり、「A の B」が A B と表現されたり B A と表現されたりしている。(名詞か形容詞かで語順が変わる?)

推定の根拠に語順を使わない方がよい。

ヒント 2

karr は「鼻」で既知なので、19 putj-i karr は「M. 鼻の穴」で確定する。

ここからはいくつかのアプローチが考えられる。

  • 単独で出現している 13 kurri 、16 paR 、18 putj を考える
  • 「L. カンガルー」を起点に考える
  • 18 putj は何かを想像して仮説検証していく
ヒント 2-1

単独の語になりそうな選択肢を考える。

  • 「L. カンガルー」と「X. 幼いカンガルー」の関係から、カンガルーは単独で出現している可能性が高い。
  • 「O. 川」と「P. 短い川」も同じ関係。
  • 「U. お腹」はいかにも比喩的な転用がしやすそう。
  • 「T. 棒」も怪しいが、これが一語だとしたら「木」=「棒 + たくさん」、「短い木」=「短い + 棒 + たくさん」などになりそう。3 語の語句はないので、「棒」が基本語の可能性はやや低いか。
ヒント 2-2

「カンガルー」の語を特定する。単独で現れる語のうち、出現回数が 2 回のもの。

また、「幼い」≒「未婚の」と考えると、「W. 未婚の女性」も合わせて決められる。

答え
  • 13 kurri =「L. カンガルー」
  • 22 wartip-i kurri =「X. 幼いカンガルー」
  • 22 wartip-i liti =「W. 未婚の女性」

「女性」は 1 回しか現れないので、1 回しか現れない liti が該当する。

ヒント 2-3

putj-i karr「鼻の穴」から、putj の意味を想像する。「穴」は選択肢にないので、想像力を働かせ、基本語になりそうなものを選ぶ。

ヒント 2-4

putj の可能性でありそうなのは「川」か「お腹」と思われる。どちらか。

答え

もし putj =「川」だとしたら、putj-i tjina は「短い川」となる。すると 24 wartip-i tjina が「幼い + 短い」で意味不明となってしまう。

よって、18 putj =「U. お腹」。

ここで 20 putj-i tjina の意味を考えてもいいが、むずかしいので後回しでもよい。

ヒント 2-5

paR =「O. 川」とする。15 murt-i paR と 17 paR manya が何になりうるか考える。

ヒント 2-6

少なくとも片方は「P. 短い川」。もう片方は、想像で仮置きしてもよいが、後回しでもよい。

答え

17 paR manya =「P. 短い川」だとしたら、「Q. 短い木」が表現できない。よって、

  • 15 murt-i paR =「P. 短い川」
  • 14 murt-i kalk =「Q. 短い木」

17 paR manya の意味はあとで考える。

ヒント 3

設問 (c) を先に考える。実は、2 通りの訳が可能な語は特定できる。

答え

kalk が 2 つの意味を持つ。

  • katjin は「水」で確定していて、新しい用例はないので 2 つめの意味は考えにくい。
  • liti はそもそも 1 回しか出現しておらず、2 つの意味を答えることができない。

よって、kalk は厳密に「木」と考えなくて良い。

あとはパズルで解けるはず。

ヒント 4

設問 (d) の「29. 手の指」は発想力が必要。

「足の指」は wartip-i tjina「幼い + 足」なので、「幼い + 手」と表現したい。「手」の語は?

さらなるヒント

「N. タコ(動物)」の表現は?

答え

17 paR manya =「川 + 手」=「N. タコ(動物)」

余談

川に生息するタコはいないはず……。paR は大量の水を指す言葉で、海も含むのだろうか。