- 問題文
- 言語
- フディ語
- 問題形式
- 📜ロゼッタ
- 難易度
- ★★★★★
APLO2021-4 の攻略
ヒント 1
語幹の切り出しから取り組むと面食らう。ほどほどにして、まず過去形の表現を考えると良い。
さらなるヒント
「助ける」や「隠す」の過去形が比較的わかりやすい。現在形と比較したときの特徴が過去形の表現方法。
kakatamukakata
「それが私たちを助けた」とkakati
「私がそれを助ける」ɗifaghaɗifa
「それがあなたを隠した」とɗifaxən
「それらがそれを隠す」ɓaɓadzaɓaɓadza
「それらが腐った」とɓadza
「?が腐る?」
答え
過去形は語幹が 2 回出現する。つまり、語幹を 2 回繰り返すと過去形になると考えられる。
ヒント 2
過去形の繰り返し部分を意識しながら語幹を区切っていく。すると、3 種類の構造があることがわかる。
- 「語幹 - ? - 語幹 - ?」
- 「語幹 - 語幹 - ?」
- 「語幹 - ?」
まずは、suffix を考える。
答え
suffix は主語の人称を表す。
-i
「私が」(直前の-a
を落とす)-mu
「私たちが」-ka
「あなたが」-kuni
「あなたたちが」-xən
「それらが」(他動詞のときのみつく)
suffix なしは、「それが」or「それらが」。「それらが」になりうるのは自動詞のときのみ。
ヒント 3
3 種類の構造のうち、「語幹 - 主語」は現在形とわかっているので、「語幹 - ? - 語幹 - 主語」と「語幹 - 語幹 - 主語」の使い分けを考える。
ヒント 3-1
「語幹 - ? - 語幹 - 主語」は他動詞で、目的語が明示されている文ばかり。
「?」は何を表しているか?
答え
目的語の人称を表す。
-i-
「私を」(直前の-a
を落とす)-mu-
「私たちを」-gha-
「あなたを」
なにもないときは「それを」or「それらを」か、自動詞文となる。
ヒント 3-2
「あなたたちを」の表現を推定する(設問 (b) の 5 で必要)。
注釈に gh
と k
が似ていると書かれていることもヒント。
答え
suffix との対応から、「あなたたちを」は -ghuni-
と予想される。
ヒント 4
自動詞の主語の「それが」or「それらが」と、目的語の「それを」or「それらを」の単複の表現方法を考える。
「助ける」や「隠す」が典型的。
ヒント 4-1
kata
と kakata
のように、最初の音節の繰り返しは複数形を表す。
しかし、それだけでは説明できない文がある。
ヒント 4-2
daɗamu
「私たちが落ちる」と dɗadɗaka
「あなたが落ちた」が説明できない変化をしている。
また、ksiksaxən
「それらが私を捕まえた」と kasakuni
「あなたたちがそれらを捕まえる」も説明できない。
これらの動詞の原形から考える。
ヒント 4-3
「落ちる」の原形は dɗa
、「捕まえる」の原型は ksa
と考えられる。
ヒント 4-4
複数を表現する方法について、2 つの仮説が考えられる。
- 先頭が二重子音かどうか
- 動詞の先頭の子音が一重なら、最初の音節を繰り返す(
kata
→kakata
) - 動詞の先頭の子音が二重なら、その子音の間に
a
を挿入する(dɗa
→daɗa
)
- 動詞の先頭の子音が一重なら、最初の音節を繰り返す(
- 1 音節かどうか
- 動詞が 2 音節なら、最初の音節を繰り返す(
kata
→kakata
) - 動詞が 1 音節なら、先頭の二重子音の間に
a
を挿入する(dɗa
→daɗa
)
- 動詞が 2 音節なら、最初の音節を繰り返す(
どちらが正しいと考えられるか。ヒントは yaya
の解釈。
答え
ya
は二重子音ではなく、yaya
で目的語複数を表現しうることから、「1 音節かどうか」ではなく「先頭が二重子音かどうか」のほうが正しそう。
ヒント 5
「盗む」の語幹と、その複数形を考える。
答え
「盗む」の語幹は ghala
で、複数形は gha-ghala
。
ghali
「私がそれを盗む」で、これは複数形でないことから、ghal-
がそのまま原形であるとわかる。また、すべての動詞は -a
で終わっているので、ghala
と考えるのが自然。
また、gh
は子音と注釈に書かれているので、これは二重子音とは考えず、複数を表すには音節を繰り返して gha-ghala
とする。