IOCCC 1998の解説

全体の印象

最優秀賞の[[1998/banks]]は、おそらくもっとも有名なIOCCC作品の1つ。 IOCCCのWikipediaの記事を始め、いろいろなところでIOCCCの代表例として見られる。 しかし全体的な傾向としては、[[1998/banks]]のように気楽に楽しめるものがやや減り、挙動の理解や解読が本質的にむずかしい作品が増えた印象がある。

[[1998/fanf]]はSKIコンビネータを題材としたもので、本質的に理解がむずかしくて楽しい。 [[1998/dorssel]]は小規模なわりに興味深く複雑な挙動が盛り込まれていて、解読が楽しい。

個人的に一番好きなのは[[1998/schnitzi]]。 分岐構文を使わずに分岐を行うテクニックがおもしろい。 [[1998/bas1]][[1998/chaos]][[1998/dlowe]]は比較的気楽に楽しめるのでよい。

審査員に入れ替わりがあった。 Larry Basselは学業が忙しくなったので離脱し、Sriram Srinivasanは連絡がつかなくなったということで外れた。 審査員を募集したところ応募が多数あって、Landon Curt Nollはまず[[1993/leo]][[1995/leo]]で入選しているLeonid A. Broukhisを選んだ。 それからさらにJeremy HornとPeter Seebachが審査員に加え、4人体制に。

IOCCC 1998の募集開始は1998年11月末だが、締切は1999年1月末であり、入賞作品発表はUSENIX ATC 1999(6月)で行われた模様。 IOCCC 1998であるが、ほとんどの期間が1999年になっている。 IOCCC 1999はスキップされ、次はIOCCC 2000となった。

入賞作品一覧

[[1998/bas1]]

Best Encapsulation

最高のカプセル化

[[1998/bas2]]

Best Small Program

最高のスモールプログラム

[[1998/chaos]]

Best Object Orientation

最高のオブジェクト指向

[[1998/df]]

Best Data Hiding

最高のデータ隠蔽

[[1998/dlowe]]

Best Utility

最高のユーティリティ

[[1998/dloweneil]]

Most Fun

もっとも楽しい

[[1998/dorssel]]

Obsolescent Feature

陳腐化した機能

[[1998/fanf]]

Most Obfuscated Translator

もっとも難読化された変換器

[[1998/schnitzi]]

Best Flow Control

最高のフロー制御

[[1998/schweikh1]]

CPP Abuse

CPP悪用

[[1998/schweikh2]]

Most Erratic Behavior

もっとも不安定な挙動

[[1998/schweikh3]]

Most Space Efficient

もっとも空間効率的

[[1998/tomtorfs]]

Best Self-Documenting

最高の自己説明

[[1998/banks]]

Best of Show

最優秀賞