IOCCC 1984の解説
全体の印象
第1回ということで、シンプルなコードばかり。入賞作品数も4つだけ。
ルールも非常にシンプルで、次の5点。
- 512バイト以下であること。
- 未公開作品であること。
- 入賞作品は1894年4月12日以降にnet.lang.cに投稿される(注:日付は原文ママ)。
- クレジットに載せるnet addressを送ること。
- 独自作品で、パブリックドメインであること。
審査員はLandon Curt Nollひとりだけ。
入賞作品は、難読化技法もネタも比較的単純で、IOCCC黎明期という雰囲気。
それでも、基本的な難読化テクニックやネタの方針は見え隠れする。
優勝作品の[[1984/mullender]]はとても有名で、IOCCCの代表的な作品の1つとして知られる。
ちなみに1984年とは、こんな時代らしい。
- K&Rは1978年に出版されているが、C言語の規格がまだ存在しない(ANSI Cは1989年)。
現代のコンパイラとは異なる点が多く、作品を動かすためにしばしば修正が必要になる。
- 現代のようなインターネットは存在しない(商用インターネットは1988年、HTTPやHTMLは1990年代)。
IOCCCの募集告知や発表はUsenetで行われる。
投稿先のメールアドレスは
hplabs!nsc!chongo
。
- 家庭用PCの市場はまだほとんどない。
IBM PC/ATや初代マッキントッシュが発売された年で、Windowsはまだ世にでていない(Windows 1.0が1985年)。
審査に使われた環境はVAX 780の上で動く4.2BSDのCコンパイラ。
入賞作品一覧